古澤明、
古澤研究室、
研究内容、
ハイブリッド量子テレポーテーション、
論文・解説、
TOPICS、
古澤研究室では量子光学的手法を用いた量子情報物理の研究をしています。中心的課題は「量子テレポーテーション」です。
量子テレポーテーションとは、波動関数を伝送することですが、普通の「古典的」な方法では不可能です。波動関数を規定するには共役物理量の同時確定が必要ですが、これは量子力学の根幹である不確定性原理に矛盾するからです。量子テレポーテーションでは、EPR(アインシュタイン、ポドルスキー、ローゼン)相関のある光を用いて、この不確定性の壁を回避しています。また、EPR相関は量子コンピューターの「心臓」であることから、量子テレポーテーションの研究は量子コンピューターの研究であるともいえます。
古澤氏らはこの量子テレポーテーション実験に世界で初めて成功し、さらなる高性能化を目指しています。この実験は世界的に注目されており、マイケル・クライトンのSF小説「タイムライン」にも取り上げられました。
参考文献
[1] C. H. Bennett et al., Physical Review Letters 70, 1895 (1993).
[2] D. Bouwmeester et al., Nature, 390, 575 (1997).
[3] S. L. Braunstein and H. J. Kimble, Nature 394, 840 (1998).
[4] S. Takeda et al., Nature 500, 315 (2013).
[5] L. Vaidman, Physical Review A 49, 1473 (1994).
[6] S. L. Braunstein and H. J. Kimble, Physical Review Letters 80, 869 (1998).
[7] A. Furusawa et al., Science 282, 706 (1998).
[8] N. Lee et al., Science 332, 330 (2011).
[9] S. Takeda et al., Physical Review A 87, 043803 (2013).
[10] S. Takeda et al., Physical Review A 88, 042327 (2013).
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