「マイクロソフト」社創業者ビル・ゲイツ氏が、13年以内に起こる出来事7つを予言していたことが判明。世界最高峰の経営者が語る驚愕の未来をご紹介する。
■ビル・ゲイツの未来予言
ゲイツ氏は1999年にも多くの予言をし、その高い的中率で業界人の度肝を抜いた。たとえば、価格評価サイトの隆盛、スマートフォンの出現、オンライン上での支払い、IoT(モノのインターネット)の出現、SNSの普及など、今日ではその予言のほとんどが実現している。この度の予言も、世界の動向を見極める上で必見の内容だ。「Futurism.com」(5月13日)の記事を参考にみていこう。
1、「15年後、3300万人が感染病により1年以内に死ぬ」
ミュンヘン安全保障会議での発言。空気感染する病原菌が、突然変異、事故、テロリストによる生物兵器の使用などにより、世界中にばら撒かれる危険性があるという。
中世ヨーロッパを襲った黒死病(ペスト)はヨーロッパ人口の3分の1が死に、1918年に発生したスペイン風邪では5000万人~1億人が死亡した。衛生環境が整った現代では爆発的な感染拡大は起こりにくいように思うかもしれないが、大都市への人口集中により、むしろ感染病の拡大が深刻な被害をもたらすとの見方もある。
画像は「Thinkstock」より引用
2、「食糧生産においてアフリカ諸国が自給自足を実現する」
ゲイツ氏によると、構造変化によりアフリカの食料自給率が100%になるという。ゲイツ氏が挙げている理由は3つ。
1つ目に、改良された肥料や穀物による生産効率の劇的な向上が見込まれること。
2つ目に、各種インフラが整備されつつあること。たとえば、ガーナでは高速道路が拡張され、生産地から消費地への輸送が容易になり、セネガルでは高速道路のチェックポイントを廃止することで渋滞を回避している。
3つ目に、携帯電話やスマートフォンが普及し、気象予報や市場価格などを容易に調べることができるようになったことを挙げている。
3、「モバイルバンキングが貧困者の生活に劇的な変化をもたらす」
自身のブログ「gatesnotes」の年報での記述(2015年)。電子バンキングの発達により、「2030年までに銀行口座を持たない20億人の人々が携帯やスマホで預金の管理や支払いをするようになる」と語っている。
4、「2035年、貧困国はもはや存在しない」
ゲイツ氏は世界が急速に変化していることを指摘。自身の半生を振り返るだけでも、ソビエト連邦と米国の冷戦時代から現在までに多くの変化が世界で起こったことから、世界には自ら変化する大きな潜在能力が備わっているという。その変化のひとつとして「2035年までに貧困国が無くなる」と予想しているのだ。
ブログ「gatesnotes」に掲載した2014年の年報では、「援助とは素晴らしい発明品です。そして我々はもっと援助をしていかなければなりません。世界中の人々の命を救い、改善する効果的な方法です」と記している。
5、「2030年までにクリーンエネルギーに革命的なブレイクスルーが起こる」
2016年にゲイツ氏が予言した内容によると、具体的な再生可能エネルギーに言及してはいないものの、若い人々への投資により、エネルギー問題が解決すると信じているとのことだ。ゲイツ氏はすでに、あらゆるテクノロジー分野に20億ドルの投資をしている。
画像は「Thinkstock」より引用
6、「機械化により膨大な量の仕事が失われる」
米ニュースサイト「Quartz」のインタビューで、人間の労働力はロボットに取って代わられると発言。しかし、ロボット税を課すことで、高齢者の援助や子どもが関わる仕事など、人間だけが行える仕事の創出が期待できるという。
7、「2019年までにポリオ(ポリオウィルスが引き起こす急性灰白髄炎)が根絶される」
2013年にブログ「gatesnotes」の年報で発表、ポリオの流行が減少していることを指摘。ポリオ根絶の鍵として「計測」を挙げている。曰く「問題がオープンに議論できる環境を整えることに加え、正確な計測も必要。そうすることで、何が効果的であるか実際に評価することが可能になる」とのことだ。
ゲイツ氏の予言を7つご紹介した。世界の未来について悲観的な見方が多いなか、高的中率を誇るゲイツ氏が、希望ある予言をしていることは救いかもしれない。今後もゲイツ氏の発言に注目だ。
(編集部)
参考:「Futurism.com」、「Business Insider」、ほか